もう2年ほど前の話。
新入社員研修の講義をご依頼いただく際のカリキュラム。
午前中の「コミュニケーション・対応力」の講義をわたくしが、
午後の「ビジネスマナー」をT先生が受け持つ1日2クラス体制。
T先生は大手アパレル業界をまたにかけ、長年にわたって新人を育ててこられた個性的で勢いのある女性です。
新人研修をコーディネートする会社の方から、
「T先生の講義は一度ご覧になるといい。魔法のように新人の顔つきが変わりますよ。」と常々お誘いを受けていた。
早速、自分の講義が終了したのちの時間、T先生を待ち受ける。
「見学させてください。」(わくわく) 快くOKをいただいた。
講義が始まり、T先生のスパルタと言おうかなんちゅうか、怖かったり面白かったりのめまぐるしい場面転換と実技研修が展開する。
とにかく「やる」ことに重点が置かれているので、誰彼なしにいきなり名指しされる。新人たちには抵抗の余地もはにかむ隙もないのだ。
「おおお〜。。。」と眺めているといきなり、
「花本先生。」と名指し。
「???」(きょと〜ん)
「あなた、名刺交換の模範演技を見せてください。パートナーは◯◯さん、お願いね。」
と、主催側の研修担当者(エリート社員)が抜擢される。
うっそ〜〜〜〜ん。。。。(汗)
ほんのさっきまで ぼっさ〜〜〜〜 と だらけていた新人たちは、
今や期待値の高いキラキラした目でわたくしと彼を見つめている。
キラキラ円陣にぞんぞん取り囲まれるわたくしたち。
し、しっぱいできん。。。💧
おそるおそる・・・・・・・・🌀
(どきどきどきどきこれでいいんかこれでいいんか???)
「・・・・はい。さすがです。お見事でした。彼はこうしましたね、彼女はこうしました、その理由は、、、(以下講義に戻る)」
よかった。ほっ。(20代前半に特訓してくれた先輩MCのおかげっす)
進む講義を横目に、かのエリート社員君とわたくしは互いに胸をなでおろす。
「名刺交換、まったくのノーマークでしたよ〜〜〜💦」
「ちゃんと習ったことないですよ〜〜〜〜💦」
そんな私たちだったが、T先生からは、
「交換時の立ち居振る舞い、受け取る瞬間の手の位置、姿勢、すべて期待通りでした。交換後の一言会話が双方にあったのが良かったですね。」と。
交換後の一言
は、実はとても大切。
あるのとないのとでは大違いなんです。
これはスピーチ教室オハナでも必要に応じてお話ししています。
交換後、相手の名刺をただ見つめて黙って納める仕草は間違いではないし、悪くはない。けれど、ちょっともったいない。
交換後の一言会話は、相手の背景にある情報に興味を持っていることを示す、とてもいい機会。
第一印象アップにもつながります。
いただいた名刺から情報を瞬時に読み取って、
「この◯◯とは具体的にどのようなことをなさっているのですか?」
「台紙が優しい色合いで素敵ですね。」
など、デザインやイメージ、肩書きや名前から投げかける。
会社について、仕事内容について、本人について、いろんなことが書いてあるのが名刺なのだ。
そしてほんのすこし会話をした後に、
「頂戴いたします。」
スマイル指数をグッとあげてほんの一言、加えてみてはいかがですか?
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