懐かしのばぁちゃん。

11月の最終日曜日、仕事で奈良行きが控えている。
ところが現場は奈良の中でもかなり奥まったところなので
スタッフは「マエノリ」(前日中に現地入りすること 前田典子ではない好きだけど。)必須。
しかし、晩秋となるこの季節の奈良、どこもかしこも観光客でいっぱい。
当然ホテル・旅館の類は満室。というわけで、スタッフ達は個々で宿泊先探しをする。
わたくしも探す。

初回。どこも見つけられず早朝発で現地入り、

前夜の打ち合わせに参加できずえらい目にあう。
前回。会場から歩いて2分の距離に「旅館」を発見、部屋が取れる。
今回。同じ「旅館」にて宿泊予定


今日の午後、予約とりたし と、その「旅館」に電話をした。去年と同じ、おばあちゃんの声。

わたくし 「昨年同じ時期にお世話になりました、はなもとです。」
ばあちゃん「あぁ!あぁ、あぁ!はい!」

おお。覚えてくれているようだ。佳き声のカンジ。

わたくし 「今年もお願いしたいと思いまして…」
ばあちゃん「あぁ!はい!前に泊まっていただいた~!」
わたくし 「はいっ!そうです~!」
ばあちゃん「あっら~!覚えてないわぁ!前っていつでしたっけ?」
わたくし 「…去年の11月の終わりごろ…」
ばあちゃん「あらまぁ。そぉ!いいですよぉ空いてますから~」

…かくして、素泊まり食事なし4000円。無事、宿泊先確保。
まったく私のことは覚えてはいないようだった。が、
ばあちゃんの声は心なしか昨年より明るく思える。昨年泊まった時に、

「じいちゃんが体を悪くして要介護になってから一人で細々と営業している。
朝ごはんの用意も出来なくなった、前は好評だったのだけれど…」
と、ちょっと寂しそうに言っていた。
お客が入ると近所に住む娘さんがお風呂や寝床の準備をしにその都度駆けつけるそう。
大変なのだ。
「来年はもうやってないかもしれへんから、確認の電話してな」なんておっしゃっていたが、
どうやら明るく営業中のようだ。

嬉しい。泊まれることも嬉しいが、
ばあちゃんの声が明るかったのがもっと嬉しいのである。
今年も彼女の真っ赤な口紅姿が朝っぱらから見られるのです。
バッチリキチントメイクが超似合っているのです。なぜか。

ちなみにココって、
「宿」なんだけど、玄関も部屋も、「ひとんち」に近い。
「旅館」なんだけど、「Homestay」感覚なんである。かなり面白い。
きゃは!楽しい!わくわく!

コメント: 0 (ディスカッションは終了しました。)
    まだコメントはありません。